切断切断また切断


ウルトラマンからAまでの切断技を集めた動画。
軽快な戦闘テーマに乗って繰り出されるのは、ウルトラマンの八つ裂き光輪、セブンのアイスラッガー、新マンのウルトラブレスレット、そしてエースの変幻自在の切断技の数々!

エースは明らかにやりすぎw
エース以前では刃はひとつしか飛ばなくて、例えばエレキングベムスターのように刃が行ったり来たりして切っているのが、エースではブロッケンのようにひとつの刃が三つ四つに分かれたり、二つの刃を飛ばしてサボテンダーを十字に切ったり、一度に何本もの刃を出してユニタングをバラバラにしたり……

今でこそこの一つ一つに技名がついてますが*1、当時はウルトラギロチンくらいしかなかったような……
ある時期から「ウルトラマンの技には全部技がなくてはならない」ということにでもなったのか、1回ちょっと撃っただけのような技でもみんな名前がありますね。
たぶん特殊技術の担当は、そんなこと考えちゃいないと思うんですが(^_^;)

この当時は、ライダーなんかの等身大ヒーローにしても、マジンガーやゲッターなどのロボットものにしても、まだ必殺技の様式化*2が起こってないのですね。
そこで各エピソードの演出担当者は、このフィニッシュの場面に知恵を絞っていたようです。
エースが放送された昭和47年は、空前絶後の変身ブームが吹き荒れた年*3。過当競争の中で生き残りを賭けて表現をエスカレートさせた側面もあったでしょう。

様式化された必殺技は、バンクシステムと相性がいい、ある意味で手抜きの技法とも言えます。
それに比べると、切断技と言うのは使い回しが聞かないどころか、着ぐるみの首をあらかじめ落とせるように作ったり、着ぐるみと別に切断シーン用の怪獣人形が必要になったり、実に手間がかかってる。

特撮というのは、撮影にかけた手間そのもの*4も見せ場になりうるジャンルです。
切断技の快感には、その手間を味わうという面もあるのかも。

ああ、一度担当者の名前をチェックしておきたいですな。
同じ円谷のミラーマンジャンボーグAでも派手な切断技は多々あるし、他社の流星人間ゾーンでもバラバの目ん玉ぴょーん*5が再現されてたりするし。


ファイヤーマン戦闘シーン

もし怪獣になってもファイヤーマンとだけは戦いたくありません……いや、ゴッドマンとかグリーンマンとかもイヤだけど(笑)

ファイヤーマンはエースの翌年・昭和48年の作品で、タロウやジャンボーグAと同時期に放映されました。
タロウは光線技、ジャンは切断技*6、ファイヤーマンは光球技……という差別化でこうなってるのかもしれません。

*1:http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3A§ion=6#.E8.83.BD.E5.8A.9B ウルトラマンA#能力 を参照のこと

*2:もう少し先のライディーンあたりから、必殺技の様式化が始まる。「ゴッドバード・チェンジ」〜「照準セット」〜「ゴッドバード・アタック」という一定の手順を踏むこと自体にカタルシスを持たせる演出。

*3:金曜夜7時にエースの裏で変身忍者嵐をやっていたりした

*4:怪獣が壊すビル街のミニチュアを精緻に作りこむとかいうような

*5:切断ではないがこれも強烈

*6:サイバーダムのカラオケでちょっと見れます