実相寺昭雄監督死去

ちょうどこないだウルチャンで「怪獣墓場」を見ました。(「空の贈り物」は落としたorz)
大半が木っ端微塵に吹き飛んだか、地上で絶命した怪獣たちが宇宙空間をさまよってる様を指して「ウルトラマンに宇宙に放り投げられた怪獣たち」と言うのは何度聞いても妙な感じだけど*1、怪獣退治とは裏を返せば、人間のエゴで罪なき生き物の生命を奪う行為に他ならない……という苦いテーマをユーモアにくるんだ*2好編でした。

おとなしい怪獣でも、いるだけで人間社会にダメージを与えるという独特の視点は、王道ではないけれど、怪獣の本質をつかんでいたような気がします。(人間社会という「異世界」に紛れ込んだ自分が、なぜ殺されるのか理解できずに炎の中で絶叫して死んでいくハリーハウゼンの怪獣映画と、どこかで通じている気も)

ウルトラマン誕生』もいい本でしたね。
フィギュア王のエッセイのぐだぐだ感が頭にあって、資料としてはイマイチなのでは……と思っていたのは全くのマチガイ。
実際には、怪獣出現! のほんの一場面を作るために、監督がどれだけの仕事をするかとか、当時のスタッフの談話などを集めた、撮影現場の空気が漂ってくるようで。

シリアスSF特撮最高傑作の評判も高いセブンの、初期数回のグダグダぶりに唖然とする中、はじめてまともな侵略者とまともにやりあうまともなエピソード*3だと感じたのが「狙われた街」だったし。
(この回を皮肉にまとめるのに「遠い未来のお話です」なんて言ってみたり、「何十年もかかって地球に帰ってきた」ジャミラの没年が1993年になってたり、という未来志向は佐々木守のものだろうか?)

マックスの2話はセルフコピーみたいな印象もちょっとあって、メビウス登板を楽しみにしてたのだけど……残念。
(しかしこの人の劇場映画は実は全然見ていない……(^_^;) あ、帝都物語は劇場で見たか)

宮内國郎も亡くなっていたそうで。
ウルトラマンのBGMは他のヒーローものに全く似てないよなー。
バルタン星人と空中戦やるとこの曲が大好き。

*1:タロウは空中に放り投げてから爆散、というパターンがけっこうある。

*2:怪獣供養だ、ってんで本部で坊さんにお経読ませてる真っ最中にシーボーズ出現の報が入るとことか、やたら可笑しい。

*3:ピット星人は侵略女子大の卒業実習みたいだし、ゴドラ星人・ビラ星人は超行き当たりばったりだし、ペガッサ星人はそもそも侵略じゃないし、……