KEK一般公開

高エネルギー加速器研究機構 http://openhouse.kek.jp
ヒッグス粒子を探す「アトラス実験」で使う装置「LHC」の説明パネルに、LHCすなわちラージ・ハドロン・コライダーであると書いてある。
大量の陽子と陽子を衝突させて、ヒッグス粒子の痕跡を見つけるので、コライダーはそのことを指しているのはすぐわかる。
ラージは装置の大きさ。陽子を加速する地下トンネル(ジュネーブに作った)が1周27kmあるから。

……ハドロンってなんですか?

うっかりこの質問を研究者のひとに聞いてみたら、入れ替わりに3人くらいの研究者さんに素粒子物理学の基礎を叩き込まれる羽目になりました。

ハドロンとはバリオンとメソンのことです」
バリオンとメソンってなんですか?」
バリオンクォーク3つでできた粒子で、メソンはクォークと反クォーク1つずつでできた粒子です」
「つまりバリオンとは陽子と中性子のことですか?」(クォーク3つでできた陽子と中性子の図解がそばにあった)
「陽子と中性子の他に、3原色とその補色の6種類のクォークの組み合わせでできた粒子が存在して、それらの総称がバリオンです」
クォークの色ってなんですか?」

……とまあ万事この調子で、おまけにワタシが「素粒子クォークでできている*1」とか怪しいうろ覚えの知識で理解しようとするもんだから、話あっちゃこっちゃ飛ぶし、おまけにパネルには「不安定原子核」とか「ハイパー核」とか発見されたばかりの現象の説明があり、原子の大きさひとつでも、こっちのパネルで10の-12乗センチメートルと書いてあると思えば、あっちのパネルでは1億分の1メートルと書いてあって、まるで頭がついていかない。
ここで重要だったのは、クォーク3つでできているバリオンの質量がクォークの千倍あるという現象で、その原理がヒッグス粒子と同じだったからまた混乱して(笑)

……知恵熱が出そうです。

せっかくだからブルーバックス読んで理解を深めたいと思います。
対称性から見た物質・素粒子・宇宙―鏡の不思議から超対称性理論へ (ブルーバックス)

……そもそも、「高エネルギー加速器研究機構」という研究所が、何を研究してるのかさっぱりわからなかったから行ってみようと思ったんだよなー。
つまるところ「宇宙は何でできているのか」ということを調べているそうです。

あっそうそう、ハドロンというのはつまりクォークの安定した塊で、これは陽子電子中性子が原子として安定するのに似ています。(大きさのスケールが違う)
超高温で原子がばらばらになって、陽子電子中性子として遊離した状態がみんなも知ってるプラズマ。
これと似た現象がハドロンにも起こる、すなわち超超高温でクォークグルーオンが遊離するその名もクォークグルーオンプラズマというのだそうです。
ビッグバン直後の宇宙がこうなっていただろうというこのときの温度が「2兆度」。

ゼットンの1兆度の火の玉をしのぐ温度が現実世界にあり得ようとは……

マッカンドルー航宙記に真空からエネルギーを取り出す話があって、実際真空より物質が存在する方がエネルギーが高くて安定するとかで、真空は質量なきエネルギーで満たされているそうです。
質量なきエネルギーというのがどういう状態かというと、……(続かない)