天使の牙 B.T.A.

天使の牙 B.T.A [DVD]

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ウォーターズを観て、「西村了という監督は何者だ!?」と思ったら、前作のこれがデビュー作だとid:rbyawaさんに聞いて、観てみました。

全身を射ち抜かれた刑事アスカの脳を、脳を撃ち抜かれた麻薬王の愛人ハツミに秘密裡に移植、恋人にも正体を明かせない孤独な戦い……というプロットを聞いて「改造人間?!」と思ったり、キャストにタイムレッドとG3の名前を見つけて「監督ただの特撮ファン!?」と思ったりしましたが。

クラインという麻薬組織が、というかボスのキミクニショーケン)が007に出て来そうな悪役ぶり。したら怪人のように強い神(嶋田久作)はオッドジョブか、と思ったらあっさりキミクニに殺されちゃってちょっと残念。

ショーケンに対抗する警察の幹部が佐野史郎
勝手に脳移植を進めて「私と手術スタッフの他に君がアスカだと知ってる者はいないのだ」なんて脅迫めいた言い分で、アスカをハルミとして組織に戻すあたり、この人の方が黒幕というかショッカー(笑)
その部下がヒーロー2人に豊原功輔(ゴジラVSキングギドラ)と、どこまでもトクサツくさいキャスティングです。


ただ隠れトクサツとして女仮面ライダー的な展開を期待したのは裏切られたか……
ハツミになったアスカが結局キミクニに翻弄されっぱなしで、ハッキリ言ってイイとこなし。
まあアスカは刑事だった頃からもう誰が見てもいっぱいいっぱいだったから不自然じゃないし、立場を利用して組織を崩壊に導く……とかやってたらえれえ長え映画になっちゃうでしょうが。


いやでも、モンキー爆弾とか、脳天を撃ち抜く銃弾のスローモーションとか、内通者を示す暗号とか、ホログラフの次が鏡とか、脳で認証するセキュリティとか、B級な感じがイイとこ突いてるじゃないですか!!
ハードボイルドとかサスペンスアクションとか大沢在昌原作とかいう売り文句を全部忘れて、平成和風007と思って観るのが吉です。
終盤はやっぱりどんでん返しするし(笑) しかも何度も何度も(笑) エンドロールが始まっても油断するなよ!!


ハツミ=アスカの佐田真由美がまた、クセのある美人で。
この作品の後、CASSHARNやライダー THE FIRSTで女幹部やってるあたりは監督の先見の明かもしれない。
ああ、元々映画のCG監督をやってた人なのか……(もう特撮ファン確信)


ところでBTAって何の略ですか?