中谷一郎死去

4/1、咽頭がんにて逝去。ご冥福をお祈りします。

中谷一郎といえば風車の弥七(どこかの村にお墓があるらしい)だけど、弥七でない中谷一郎を初めて見たときのインパクトは鮮烈でした。


それは、岡本喜八監督の映画『独立愚連隊』。さまざまな部隊が持て余した問 題児や兵隊のクズばかりを集めた部隊、通称独立愚連隊の隊長役。
ひょうひょうとした表情の中に一筋縄でいかない何かを秘めた、敵か味方かわからないキャラで、主役の佐藤允を翻弄する様が実にイイ。
レンタルビデオではじめて見たときは「弥七の人」とわからなくて、あとでそれを知ってびっくりしたんですよね。

続編*1『独立愚連隊西へ』でも、役柄こそ一歩脇へ譲ったものの、存在感抜群。
ほかの作品でも、出ると何かやらかしてくれそうな気がする雰囲気が常にあって、おトク感のある役者でした。(そういうおトク感が結実したのが弥七なのかも)


それにしても、喜八作品のソフト化率の低さは不当と言うものだなあ!
天本英世のマッドぶりがたまらない傑作『殺人狂時代』は大昔に一度レンタルビデオになったきりだし、独立愚連隊シリーズからして、セル版は大誘拐のころにビデオとLDがでただけ。
DVDになったのはわずか4本!

これじゃあ、いくらほめても誰も見てくれない(;_;) 見ようがない。
喜八映画は、大学のころハマリにハマって、名画座通っただけに、この扱いの低さはくやしい。

あーもう、独立愚連隊マーチでも歌うか!

♪西か東か南か北か
 どこへ行っても鼻つまみ
 「ウェイ!」

*1:ただし設定は別物。前作と同じ役者さんも全員別キャラで出てます。