アラン・ケイとスクイーク

教育テレビの京都賞特集の番組でアラン・ケイが出るというので録画して視聴。

アラン・ケイという人について知ってることは「ダイナブック」というものを最初に考えた人だということのみ。
ダイナブックといえば東芝のノートパソコンだけど、アラン・ケイの「ダイナブック」はパソコンなんてチンケなものじゃないらしい。

番組で紹介されたダイナブックの1号機「アルト」は、ウインドウこそないけどマウスで操作できて、コピー&ペーストがあって……パソコンやん。

まあワタシがダイナブックの話聞いたのは、東芝の初代ダイナブックの頃だったもんなあ。
MS-DOSなんて言ってももう知らない人の方が多かろう。


いやしかし、彼がアルトを作ったのは1972年*1なのです。
パソコンどころかマイコンもない……いや、世界初のマイコンチップ4004は71年ですが、いわゆるマイコンブームは70年代後半から始まるわけで、まだ個人が道具としてパソコンを使う、なんて夢物語ですよ。

じゃあアラン・ケイというのは今あるパソコンの概念を発明した人か、というとそうではない。
彼のダイナブックは「知性の増幅器」であり、アルトの重要な特徴は「ユーザが平易な操作で自分の道具を作れること」すなわち「プログラムを書けること」なのですね。


彼が研究しているスクイークというシステムが紹介されていました。
子供が自分で描いた魚の絵に、何やらプロパティみたいなものを設定して(?)「コースに沿って泳ぐ」魚のプログラムを作っています。

[Fish][forward by][3]
Test [Fish's] [(水色) color sees] [(白) color]
     Yes [Fish] [turn by] [3]
      No [Fish] [turn by] [-5]

魚のひれを水色で描いてセンサとし、コース外の「白」に触れたら旋回する、ということみたいですね。
[]で囲んだ部分はいろいろ変更可能なようです。


このスクイーク、番組ではiMacで動かしてましたが、Windowsでも動くようなのでとりあえずdl。
http://squeakland.jp/


http://d.hatena.ne.jp/ma-asa/20050128#p2 ではBASIC風言語でロボットを動かしてたけど、プログラミングの本質は「目的のための手段の構築」だと思うんですね。
そこさえ押さえてれば言語はなんだってかまわない。目的に対して最適なものを選べば良い。

で、最近興味があるのはどうも「いかに簡単にプログラムを作るか」ということらしい。
perlpythonと比べてRuby選んだのも「簡単そうだから」だったし。
それで「日本語プログラミング言語 なでしこ」とかスクイークに惹かれる。


そう、プログラム環境ってのは誰にでも扱えないといかんと思うんですよ。
でないと人がコンピュータに使われてしまう。
アラン・ケイは30年以上前からずっと、そこのとこを追及してきた人だったんですね。

*1:最初の仮面ライダーがブームになり、マジンガーZが誕生した年!